長く一つの会社にいると、自分は井の中の蛙なのではないかと思うことがある。
大海を知ろうとして、転職を考えてみたくなる。
しかし、転職というものは大海を知るというよりも、全然知らない別の井戸に飛び込むようなものである。
環境も水質も全く違う未知の世界。
外来種というのは、よっぽど強くなければ生き残れない。
どうしたって、その井戸の中で純粋培養された蛙の方が強いに決まってる。
かつて私も転職して、全く異なる社内文化について行けず、苦しんだ。
今までやってきたことを全て否定し、一から取り組んだが、散々だった。
蹴落とそうとして来る同僚やモラハラを正当化する上司との関係。
そしてそれを是とする社風。
しかし、何より辛いのは自分の能力のなさだった。
今までの会社では、私は「優秀な社員」として評価を受けていた。
なのにこの様は何だ・・・。
頑張れば頑張るほど空回りして、冷静に取り組めば分かることも分からなくなっていた。
自分は何て愚かで惨めで価値がない人間なのだろうと完全に自信を喪失してしまった。
それでも環境が変われば何とかなるかもしれない、そう思い店異動をしても一年はその場所で頑張ろうと心に決めた。
自分に合わないのではないかと思いつつも、6年半も在籍してしまったのはその期間内で6回も店異動したからだ。
最後の店で一年働いたところで、退職することを決めた。
今、私は正社員でもないし責任のある立場にはいないから比べるのも少し違うかもしれないが、業務内容で理解できないことは少ない。
自分の能力のなさを卑下して落胆する辛さからは解放された。
気が楽になったら、あの時覚えられなかった簡単なこともすっと頭に入るようになった。
人間ってそういうものなんだろうと思う。
今、私の周りには転職をした人がとても多い。
やっぱり今までの環境とは違う井戸で必死に戦っている。
うつ病になりそうなくらい追いつめられている人もいる。
会社には、合う・合わないって本当にあると思う。
折角お世話になる会社なんだから一生懸命努力して活躍していってほしい。
でも、それで自分を嫌いになってしまうんだったら、そこから離れるのも一つの手だと思う。
何のための人生か。
仕事は手段であり、目的ではないはずだ。
私の大好きな人たちには、笑って楽しい毎日を送ってもらいたい。
今、転職活動中の人も数名いる。
良い職場に巡り合えますように。
良い人間関係でありますように。
努力が報われますように。